2006.02.06 Monday
友は風の彼方に
さて質問です。パクリって悪いことだと思いますか? 僕は以前にも、書きましたけどパクリに関しては、かなり寛大です。そんなわけで、今回はかのクエンティン・タランティーノがあからさまにパクったことで一躍有名になった香港映画『友は風の彼方に』を紹介しましょう。
多発する強盗事件の解決の為に、潜入捜査官のチャウ(チョウ・ユンファ)は強盗団に接触を図る。極秘任務の為、警察からは追われ、婚約者との結婚も犠牲にしながらも、チャウは強盗団への潜入に成功する。やがて、強盗団のメンバーの一人・フー(ダニー・リー)との間に友情が生まれ、チャウは友情と任務の狭間で葛藤することになる……香港映画ではわりとポピュラーな潜入捜査官をテーマにした作品です。
この映画はタランティーノの初監督作『レザボア・ドッグス』の登場によって、一躍有名になりました。彼がこの作品に影響を受けて『レザボア・ドッグス』を制作したのはあまりに有名な話です。今回、改めて見直してみると、確かにそっくりな場面が連発です。特に後半の宝石店に強盗に入って、倉庫に逃げ込むくだりなんかは、かなり控え目に言っても「完全にパクってるやろ!」ってくらいにソックリです。
まあ、タランティーノ自身もパクったことを認めた上で「『友は風の彼方に』は大好きな作品」と言ってるんで、別にそれについてどうこう言うつもりはありません。でも、両者の違いに興味のある方は、見比べてみるのも面白いと思います。
この作品の場合、主人公のチャウが潜入捜査官というのは最初から分かってるので『レザボア・ドッグス』みたく「誰が裏切り者か?」っていうサスペンスはないわけです。その代わりに潜入捜査官の苦悩や葛藤の部分が、より深く掘り下げられているので、友情のドラマとしてはこっちの方が出来が良いですね。香港ノワールの佳作ってとこでしょう。
DATA-----------------------------------------------
友は風の彼方に (1987/香港)
監督:リンゴ・ラム
脚本:トニー・シャム
出演:チョウ・ユンファ、ダニー・リー、スン・イェー
ン・カーライ、ロイ・チョン 他
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多発する強盗事件の解決の為に、潜入捜査官のチャウ(チョウ・ユンファ)は強盗団に接触を図る。極秘任務の為、警察からは追われ、婚約者との結婚も犠牲にしながらも、チャウは強盗団への潜入に成功する。やがて、強盗団のメンバーの一人・フー(ダニー・リー)との間に友情が生まれ、チャウは友情と任務の狭間で葛藤することになる……香港映画ではわりとポピュラーな潜入捜査官をテーマにした作品です。
この映画はタランティーノの初監督作『レザボア・ドッグス』の登場によって、一躍有名になりました。彼がこの作品に影響を受けて『レザボア・ドッグス』を制作したのはあまりに有名な話です。今回、改めて見直してみると、確かにそっくりな場面が連発です。特に後半の宝石店に強盗に入って、倉庫に逃げ込むくだりなんかは、かなり控え目に言っても「完全にパクってるやろ!」ってくらいにソックリです。
まあ、タランティーノ自身もパクったことを認めた上で「『友は風の彼方に』は大好きな作品」と言ってるんで、別にそれについてどうこう言うつもりはありません。でも、両者の違いに興味のある方は、見比べてみるのも面白いと思います。
この作品の場合、主人公のチャウが潜入捜査官というのは最初から分かってるので『レザボア・ドッグス』みたく「誰が裏切り者か?」っていうサスペンスはないわけです。その代わりに潜入捜査官の苦悩や葛藤の部分が、より深く掘り下げられているので、友情のドラマとしてはこっちの方が出来が良いですね。香港ノワールの佳作ってとこでしょう。
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友は風の彼方に (1987/香港)
監督:リンゴ・ラム
脚本:トニー・シャム
出演:チョウ・ユンファ、ダニー・リー、スン・イェー
ン・カーライ、ロイ・チョン 他
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2006.02.03 Friday
イノセンス
蝶になった夢を見た。自分は夢で蝶になったのか、それとも蝶が人間になった夢を見ているのか……所謂、荘子の「胡蝶の夢」という話です。そんなわけで今日は押井守の最新作『イノセンス』を紹介します。
西暦2032年。人とサイボーグとロボットが共存する近未来。愛玩用アンドロイドの原因不明の暴走事件が発生する。公安九課のバトーとトグサは事件を引き起こしている愛玩用アンドロイドの開発メーカー「ロクス・ソルス社」を捜査することになる……というのがこの作品のストーリーです。
一応、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の続編ということになっていますが、前作を見ていなくても多分問題ないです。と言うよりも、そんなこととは無関係なほどに本作は難解です。身体を機械化しコンピュータ・ネットワークに脳を直結することが一般化した無国籍で猥雑な世界を舞台に、押井守が観客に突きつけるのは「自己の存在そのものへの疑問」という人間が抱える根源的なテーマです。
今生きている自分は、果たして本当にそこに存在しているのか? それは冒頭にも書いたんですけど荘子の「胡蝶の夢」なんかとも共通する古来からあるテーマです。こう書くと小難しそうに思えますが、実際にはそれ以上に難解です。前作『攻殻機動隊』の敬虔なフォロワーである『マトリックス』なんかも同様のテーマを描きますが、本作はそれを遥か後方に置き去りですね。
人間と人形の間には本当に違いはあるのか? 貴方の中にはその答えがありますか? 正直言って映画を見終えて、これほど「怖い」と思ったことはなかったかも知れません。決して露骨な恐怖描写があるわけでもないのですが、この作品が投げかける「存在への疑問」は考えれば考えるほどに、「怖い」です。
最先端の映像技術が描き出す哲学的な世界。アニメが子供やおたくの所有物だったのは遠い昔の話ですが、本作の間口はとてつもなく狭いです。
DATA-----------------------------------------------
イノセンス (2004/日本)
監督・脚本:押井守
原作:士郎正宗
出演(声):大塚明夫、山寺宏一、田中敦子、榊原良子
竹中直人 他
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西暦2032年。人とサイボーグとロボットが共存する近未来。愛玩用アンドロイドの原因不明の暴走事件が発生する。公安九課のバトーとトグサは事件を引き起こしている愛玩用アンドロイドの開発メーカー「ロクス・ソルス社」を捜査することになる……というのがこの作品のストーリーです。
一応、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の続編ということになっていますが、前作を見ていなくても多分問題ないです。と言うよりも、そんなこととは無関係なほどに本作は難解です。身体を機械化しコンピュータ・ネットワークに脳を直結することが一般化した無国籍で猥雑な世界を舞台に、押井守が観客に突きつけるのは「自己の存在そのものへの疑問」という人間が抱える根源的なテーマです。
今生きている自分は、果たして本当にそこに存在しているのか? それは冒頭にも書いたんですけど荘子の「胡蝶の夢」なんかとも共通する古来からあるテーマです。こう書くと小難しそうに思えますが、実際にはそれ以上に難解です。前作『攻殻機動隊』の敬虔なフォロワーである『マトリックス』なんかも同様のテーマを描きますが、本作はそれを遥か後方に置き去りですね。
人間と人形の間には本当に違いはあるのか? 貴方の中にはその答えがありますか? 正直言って映画を見終えて、これほど「怖い」と思ったことはなかったかも知れません。決して露骨な恐怖描写があるわけでもないのですが、この作品が投げかける「存在への疑問」は考えれば考えるほどに、「怖い」です。
最先端の映像技術が描き出す哲学的な世界。アニメが子供やおたくの所有物だったのは遠い昔の話ですが、本作の間口はとてつもなく狭いです。
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イノセンス (2004/日本)
監督・脚本:押井守
原作:士郎正宗
出演(声):大塚明夫、山寺宏一、田中敦子、榊原良子
竹中直人 他
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2006.02.02 Thursday
リプレイスメント
どうしても「スーパーボウル」のテレビ中継を見たくて高校をサボったことがあります。次の日、それを友達に話したら「スーパーボウルって何?」という基本的な質問を投げかけられ、やっぱり、まだまだアメフトっていうのは、日本ではマイナースポーツだなと実感しました。この『リプレイスメント』みたいな映画が、もっと紹介されれば日本でもメジャーになると思います。
プレーオフ進出を目前にして、年俸UPを求めた選手たちがストに突入した"ワシントン・センチネルズ"。コーチに就任したジミー(ジーン・ハックマン)は、代理選手を集めてプレーオフ進出を賭けた残り4戦を戦うことになる。集められた代理選手は一癖も二癖もあるメンバーばかり、その中にはかつてカレッジフットボールの花形選手として活躍しながら、土壇場での精神的弱さから引退していたファルコ(キアヌ・リーヴス)の姿もあった。そして、寄せ集めの即席チームの戦いが始まる……タイトルの『リプレイスメント』は代理選手のことです。1987年に実際にNFLでストが敢行され代理選手でシリーズが続行されたことがありました。その事件がこの映画のヒントになっているそうですが、ストーリー的にはハッキリ言って、かの名作『メジャーリーグ』の舞台をアメフトに移しただけです。でも、やっぱり人生の落ちこぼれたちが、起死回生のチャンスに賭けていく王道スポーツドラマは手に汗握ってしまいます。
アメフトってスポーツは専門職のスポーツです。投げる。蹴る。走る。タックル。キャッチ……何か一つスペシャルな能力があれば他はなくても良い。一芸に秀でた選手が活躍しやすいスポーツなんですね。そういう意味では、野球をテーマにした『メジャーリーグ』よりも、寄せ集めの即席チームが活躍する物語はアメフト向きかも知れません。
もう一つ『メジャーリーグ』との違いを指摘すると、この作品に登場する代理選手たちはあくまで正規の選手の代理なわけです。ストが終われば、また元の生活が待っている。たった4試合だけの檜舞台に全てを賭ける選手たちは、果てしなく熱いです。オススメです。
DATA-----------------------------------------------
リプレイスメント (2000/アメリカ)
監督:ハワード・ドイッチ
脚本:ヴィンス・マケウィン
出演:キアヌ・リーヴス、ジーン・ハックマン
ブルック・ラングトン、オーランド・ジョーンズ
ジョン・マデン、パット・サマーオール 他
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プレーオフ進出を目前にして、年俸UPを求めた選手たちがストに突入した"ワシントン・センチネルズ"。コーチに就任したジミー(ジーン・ハックマン)は、代理選手を集めてプレーオフ進出を賭けた残り4戦を戦うことになる。集められた代理選手は一癖も二癖もあるメンバーばかり、その中にはかつてカレッジフットボールの花形選手として活躍しながら、土壇場での精神的弱さから引退していたファルコ(キアヌ・リーヴス)の姿もあった。そして、寄せ集めの即席チームの戦いが始まる……タイトルの『リプレイスメント』は代理選手のことです。1987年に実際にNFLでストが敢行され代理選手でシリーズが続行されたことがありました。その事件がこの映画のヒントになっているそうですが、ストーリー的にはハッキリ言って、かの名作『メジャーリーグ』の舞台をアメフトに移しただけです。でも、やっぱり人生の落ちこぼれたちが、起死回生のチャンスに賭けていく王道スポーツドラマは手に汗握ってしまいます。
アメフトってスポーツは専門職のスポーツです。投げる。蹴る。走る。タックル。キャッチ……何か一つスペシャルな能力があれば他はなくても良い。一芸に秀でた選手が活躍しやすいスポーツなんですね。そういう意味では、野球をテーマにした『メジャーリーグ』よりも、寄せ集めの即席チームが活躍する物語はアメフト向きかも知れません。
もう一つ『メジャーリーグ』との違いを指摘すると、この作品に登場する代理選手たちはあくまで正規の選手の代理なわけです。ストが終われば、また元の生活が待っている。たった4試合だけの檜舞台に全てを賭ける選手たちは、果てしなく熱いです。オススメです。
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リプレイスメント (2000/アメリカ)
監督:ハワード・ドイッチ
脚本:ヴィンス・マケウィン
出演:キアヌ・リーヴス、ジーン・ハックマン
ブルック・ラングトン、オーランド・ジョーンズ
ジョン・マデン、パット・サマーオール 他
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2006.01.30 Monday
はつ恋
最近、銀幕でしか会えない女優さんが随分と減りました。僕自身、映画よりもテレビで育った世代の人間ですから、あまり実感としてそれを感じてるとは言い難いのですけど、今の女優の主戦場はテレビ。これは平成日本人の共通認識だと思います。そんな中でテレビドラマなどへは出演せず、頑なに映画を主戦場にして一人異彩を放っているのが田中麗奈です(99年にテレビドラマに一度だけゲスト出演したことはあります)。今回はそんな彼女の主演作『はつ恋』を紹介したいと思います。
失恋と母の入院という最悪な形で幕を開ける聡夏(田中麗奈)の17歳の春休み。母・志津枝(原田美枝子)が大切にしていたオルゴールを開くと、24年前に母が書いたラブレターと一枚の写真が入っていた。写真に写っていたのは若い頃の母と父ではない男。ラブレターの宛名は"藤木真一郎"。聡夏は母が24年前に果たすことの出来なかった約束を叶えるべく、写真の男を捜し始める……というのが、冒頭のストーリーです。母の24年前の恋の話を縦糸に、それを通して聡夏が「家族」を見つめ直していく姿が、丁寧に描かれています。
見てる最中は、確かに良い映画だとは思ってたんですけど、それほど感動したってことはなかったんです。でも、最後まで見て、一息ついて、ビデオ巻き戻して……ふと気がつくと、僕は涙を流してました。何というか、後からジワジワと感動する感じです。登場人物も必要以上に主張してないし、シナリオだって決して派手な展開はしません。でも、一つ一つのシークエンスや、ストーリーが展開していくプロセスを丁寧に丁寧に描いてるから、トータルで作品を見ると、ラストシーンが際立って感動的に映りました。
田中麗奈の映画って実は初めて見たんですけど、彼女ってちょっと不思議ですね。とびっきりの美少女ってわけではないと僕は思うんですけど、画面の中の彼女は最高に魅力的です。危うくヒロスエから乗り換えそうになりました。
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はつ恋 (1999/日本)
監督:篠原哲雄
脚本:長澤雅彦
出演:田中麗奈、原田美枝子、平田満、仁科克基、佐藤允
真田広之 他
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失恋と母の入院という最悪な形で幕を開ける聡夏(田中麗奈)の17歳の春休み。母・志津枝(原田美枝子)が大切にしていたオルゴールを開くと、24年前に母が書いたラブレターと一枚の写真が入っていた。写真に写っていたのは若い頃の母と父ではない男。ラブレターの宛名は"藤木真一郎"。聡夏は母が24年前に果たすことの出来なかった約束を叶えるべく、写真の男を捜し始める……というのが、冒頭のストーリーです。母の24年前の恋の話を縦糸に、それを通して聡夏が「家族」を見つめ直していく姿が、丁寧に描かれています。
見てる最中は、確かに良い映画だとは思ってたんですけど、それほど感動したってことはなかったんです。でも、最後まで見て、一息ついて、ビデオ巻き戻して……ふと気がつくと、僕は涙を流してました。何というか、後からジワジワと感動する感じです。登場人物も必要以上に主張してないし、シナリオだって決して派手な展開はしません。でも、一つ一つのシークエンスや、ストーリーが展開していくプロセスを丁寧に丁寧に描いてるから、トータルで作品を見ると、ラストシーンが際立って感動的に映りました。
田中麗奈の映画って実は初めて見たんですけど、彼女ってちょっと不思議ですね。とびっきりの美少女ってわけではないと僕は思うんですけど、画面の中の彼女は最高に魅力的です。危うくヒロスエから乗り換えそうになりました。
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はつ恋 (1999/日本)
監督:篠原哲雄
脚本:長澤雅彦
出演:田中麗奈、原田美枝子、平田満、仁科克基、佐藤允
真田広之 他
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2006.01.27 Friday
ターゲットブルー
ケビン・コスナー&ホイットニー・ヒューストン主演の大ヒット映画『ボディガード』はご覧になりましたか? あの映画の中で、一流のボディガードが依頼人に手を出しちゃうとこに不満を感じた人っていませんか? そんな人にオススメしたいのが、ジェット・リー主演の『ターゲットブルー』です。
ある殺人事件の犯行現場を目撃してしまった小学校教師のミシェル(クリスティ・チョン)は、その日から殺し屋に命を狙われ始める。ミシェルの恋人で大富豪のソンは金の力に物を言わせて、中国政府に依頼し、腕利きのSP・フイ(ジェット・リー)をミシェルの元に派遣させる……というところから、物語が始まります。
よく「ケビン・コスナーの『ボディガード』へのオマージュに溢れる作品」とか書いてるレビューを目にしますけど、オマージュなんてもんじゃないですね。誰が見たって『ボディガード』のパクリです。僕はパクリそのものが悪いとは思いません。本物以上のフェイクを作り出せるなら、パクリも大いに結構でしょう。この映画の場合、少なくとも主人公のアクションに関しては、圧倒的にオリジナルより上に行ってます。まあ、ジェット・リーと比べられたら、大抵の俳優はアクションでは太刀打ち出来ないでしょうけどね。
そして、何より特筆したいのは、この映画の主人公のフイは、徹底的にストイックです。何度か命を助けられるうちにSPと依頼者の関係を越えてヒロインが主人公に惹かれて行くとこまでは『ボディガード』と同じなんですけど、この映画の主人公フイは、ミシェルに惹かれながらも、あくまで一線を踏み越えずに、踏み止まろうとします。多分、ホントのプロはこうあるべきだと思うんですよね。フイがSPとしての自分と、一人の男としての自分の狭間で葛藤する姿をジェット・リーが絶妙に演じます。こういう役はハマリますね。
現時点ではジェット・リー主演の現代物では、最高の出来だと思います。本家『ボディガード』と見比べてみるのも一興ではないでしょうか?
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ターゲットブルー (1993/香港)
監督:コーリー・ユン
脚本:ゴードン・チャン、チャン・キンチョン
出演:ジェット・リー、クリスティ・チョン
ケント・チェン、イー・シン 他
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ある殺人事件の犯行現場を目撃してしまった小学校教師のミシェル(クリスティ・チョン)は、その日から殺し屋に命を狙われ始める。ミシェルの恋人で大富豪のソンは金の力に物を言わせて、中国政府に依頼し、腕利きのSP・フイ(ジェット・リー)をミシェルの元に派遣させる……というところから、物語が始まります。
よく「ケビン・コスナーの『ボディガード』へのオマージュに溢れる作品」とか書いてるレビューを目にしますけど、オマージュなんてもんじゃないですね。誰が見たって『ボディガード』のパクリです。僕はパクリそのものが悪いとは思いません。本物以上のフェイクを作り出せるなら、パクリも大いに結構でしょう。この映画の場合、少なくとも主人公のアクションに関しては、圧倒的にオリジナルより上に行ってます。まあ、ジェット・リーと比べられたら、大抵の俳優はアクションでは太刀打ち出来ないでしょうけどね。
そして、何より特筆したいのは、この映画の主人公のフイは、徹底的にストイックです。何度か命を助けられるうちにSPと依頼者の関係を越えてヒロインが主人公に惹かれて行くとこまでは『ボディガード』と同じなんですけど、この映画の主人公フイは、ミシェルに惹かれながらも、あくまで一線を踏み越えずに、踏み止まろうとします。多分、ホントのプロはこうあるべきだと思うんですよね。フイがSPとしての自分と、一人の男としての自分の狭間で葛藤する姿をジェット・リーが絶妙に演じます。こういう役はハマリますね。
現時点ではジェット・リー主演の現代物では、最高の出来だと思います。本家『ボディガード』と見比べてみるのも一興ではないでしょうか?
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ターゲットブルー (1993/香港)
監督:コーリー・ユン
脚本:ゴードン・チャン、チャン・キンチョン
出演:ジェット・リー、クリスティ・チョン
ケント・チェン、イー・シン 他
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2006.01.26 Thursday
リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い
昔から本来は別々の物語に登場するキャラクター同士が共演する話っていうのは人気があります。『リーグ・オブ・レジェンド』はそんな映画です。
19世紀末のロンドン。ファントムを名乗る怪人に率いられ、超近代兵器によって武装した謎の組織が世界平和会議の妨害を目論んで暗躍し始める。これに対抗すべく英国政府は超人紳士同盟の結成に動き始める……悪の組織と超人紳士同盟の対決を描くヒーロー・アクションです。原作は鬼才アラン・ムーアのコミックですが、登場するキャラクターは有名小説の登場人物ばかりです。
それでは、我らが超人紳士同盟のメンバーを紹介しましょう。リーダーは『キング・ソロモンの秘宝』の冒険家アラン・クォーターメイン(ショーン・コネリー)、『海底2万マイル』に登場する科学者ネモ船長(ナサーラディン・シャー)、『吸血鬼ドラキュラ』に登場する女吸血鬼のミナ・ハーカー(ペータ・ウィルソン)、『透明人間』にして泥棒紳士ロドニー・スキナー(トニー・カラン)、『ドリアン・グレイの肖像』の主人公で不老不死の肉体を持つ背徳の美青年ドリアン・グレイ(スチュアート・タウンゼント)、『ジキル博士とハイド氏』の主人公で自分の中の怪物に悩まされるヘンリー・ジキル(ジェイソン・フレミング)、そして、飛び入り参加するアメリカ諜報部の腕利きスパイはなんと大人になった『トム・ソーヤーの冒険』のトム・ソーヤー(シェーン・ウェスト)です。この7人が超人紳士同盟のメンバーです。
さて、19世紀のロンドンと言えば超人紳士同盟のメンバー以上の大物が一人います。そう、皆さんご存知の名探偵シャーロック・ホームズです。残念ながら彼自身は登場しませんが、彼に縁の深いある人物が重要な役で登場してました。さて、それは一体誰でしょう? 正解は……映画を見てのお楽しみ。
作品の感想としては「金のかかったB級映画」って感じです。かなり大味な展開で粗も目立ちますけど、僕はこういう映画は嫌いじゃないですね。
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リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い (2003/アメリカ)
監督:スティーブン・ノリントン
原作:アラン・ムーア、ケビン・オニール
脚本:ジェームズ・デイル・ロビンソン
出演:ショーン・コネリー、ナサーラディン・シャー
ペータ・ウィルソン、トニー・カラン
スチュアート・タウンゼント、シェーン・ウェスト
ジェイソン・フレミング 他
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19世紀末のロンドン。ファントムを名乗る怪人に率いられ、超近代兵器によって武装した謎の組織が世界平和会議の妨害を目論んで暗躍し始める。これに対抗すべく英国政府は超人紳士同盟の結成に動き始める……悪の組織と超人紳士同盟の対決を描くヒーロー・アクションです。原作は鬼才アラン・ムーアのコミックですが、登場するキャラクターは有名小説の登場人物ばかりです。
それでは、我らが超人紳士同盟のメンバーを紹介しましょう。リーダーは『キング・ソロモンの秘宝』の冒険家アラン・クォーターメイン(ショーン・コネリー)、『海底2万マイル』に登場する科学者ネモ船長(ナサーラディン・シャー)、『吸血鬼ドラキュラ』に登場する女吸血鬼のミナ・ハーカー(ペータ・ウィルソン)、『透明人間』にして泥棒紳士ロドニー・スキナー(トニー・カラン)、『ドリアン・グレイの肖像』の主人公で不老不死の肉体を持つ背徳の美青年ドリアン・グレイ(スチュアート・タウンゼント)、『ジキル博士とハイド氏』の主人公で自分の中の怪物に悩まされるヘンリー・ジキル(ジェイソン・フレミング)、そして、飛び入り参加するアメリカ諜報部の腕利きスパイはなんと大人になった『トム・ソーヤーの冒険』のトム・ソーヤー(シェーン・ウェスト)です。この7人が超人紳士同盟のメンバーです。
さて、19世紀のロンドンと言えば超人紳士同盟のメンバー以上の大物が一人います。そう、皆さんご存知の名探偵シャーロック・ホームズです。残念ながら彼自身は登場しませんが、彼に縁の深いある人物が重要な役で登場してました。さて、それは一体誰でしょう? 正解は……映画を見てのお楽しみ。
作品の感想としては「金のかかったB級映画」って感じです。かなり大味な展開で粗も目立ちますけど、僕はこういう映画は嫌いじゃないですね。
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リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い (2003/アメリカ)
監督:スティーブン・ノリントン
原作:アラン・ムーア、ケビン・オニール
脚本:ジェームズ・デイル・ロビンソン
出演:ショーン・コネリー、ナサーラディン・シャー
ペータ・ウィルソン、トニー・カラン
スチュアート・タウンゼント、シェーン・ウェスト
ジェイソン・フレミング 他
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2006.01.24 Tuesday
THE 有頂天ホテル
一昨年の大河ドラマ『新選組!』を見て、僕は改めて三谷幸喜という人の作る物語の面白さに気付いたわけなんですけど、さて映画はどうなんだろうか? 監督としての三谷幸喜という人はどうなんだろうか? そんな気持ちでこの『THE 有頂天ホテル』を見たわけです。
物語の舞台は大晦日のホテルアバンティ。ホテルの威信のかかったカウントダウンパーティーまであと2時間。この大晦日を何事もなく無事に終えることを願う副支配人の新堂(役所広司)らホテルのスタッフたち。しかし、次から次へとトラブルが発生する……というのがこの映画のストーリーです。
何せ登場人物が多いです。おまけに主役級の俳優が続々と登場するオールスター映画です。正直、僕は所謂「オールスター映画」というのは、どうも顔見世的になってしまって、作品としてはイマイチな印象を持ってたんですけど、この映画は配役に無駄が無い。全ての登場人物にそれぞれがそこにいる意味を持っている。そういう感じですね。
このドラマの笑いの構造って、最初にちょっとしたきっかけがあって、それが後になるほどどんどん大きくなっていくというパターンに、ほぼ全ての笑いが当てはまってるんじゃないかと思います。具体的には新堂が別れた奥さん(原田美枝子)に見栄を張ったばかりに、その嘘をつきとおす為に泥沼にハマっていく構図とか。ハナ(松たか子)が愛人に間違われて、それを気付かれないようにする構図もパターンとしては同じなんですけど、不思議と映画観てる時は同じに見えない。ここに抜群の上手さを感じるんですよね。
多分、三谷幸喜って人は、小さい嘘をつき通すために、どんどん嘘を重ねてエスカレートしていく話が好きなんだと思います。『警部補 古畑任三郎』なんて、毎回、基本的にはそういう話のバリエーションでしょ? 余談ですが大河ドラマ『新選組!』の第34回「寺田屋大騒動」は、このバリエーションの秀作だと思うので、未見の三谷ファンの方は一度お試しを。
この映画は2時間の中で、いくつかの物語が同時に動いてるんですけど、それが絶妙に関連しあっていて、散漫な印象がない。細部まで丁寧に作りこまれてるからだと思います。ある意味でちょっと感動しましたね。
DATA-----------------------------------------------
THE 有頂天ホテル (2006/日本)
監督・脚本:三谷幸喜
出演:役所広司、伊東四朗、生瀬勝久、戸田恵子
松たか子、香取慎吾、堀内敬子、オダギリジョー
川平慈英、石井正則、角野卓造、原田美枝子
佐藤浩市、浅野和之、篠原涼子、麻生久美子
唐沢寿明、寺島進、YOU、奈良崎まどか
榎木兵衛、梶原善、西田敏行、近藤芳正
津川雅彦 他
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『THE 有頂天ホテル』公式サイト
物語の舞台は大晦日のホテルアバンティ。ホテルの威信のかかったカウントダウンパーティーまであと2時間。この大晦日を何事もなく無事に終えることを願う副支配人の新堂(役所広司)らホテルのスタッフたち。しかし、次から次へとトラブルが発生する……というのがこの映画のストーリーです。
何せ登場人物が多いです。おまけに主役級の俳優が続々と登場するオールスター映画です。正直、僕は所謂「オールスター映画」というのは、どうも顔見世的になってしまって、作品としてはイマイチな印象を持ってたんですけど、この映画は配役に無駄が無い。全ての登場人物にそれぞれがそこにいる意味を持っている。そういう感じですね。
このドラマの笑いの構造って、最初にちょっとしたきっかけがあって、それが後になるほどどんどん大きくなっていくというパターンに、ほぼ全ての笑いが当てはまってるんじゃないかと思います。具体的には新堂が別れた奥さん(原田美枝子)に見栄を張ったばかりに、その嘘をつきとおす為に泥沼にハマっていく構図とか。ハナ(松たか子)が愛人に間違われて、それを気付かれないようにする構図もパターンとしては同じなんですけど、不思議と映画観てる時は同じに見えない。ここに抜群の上手さを感じるんですよね。
多分、三谷幸喜って人は、小さい嘘をつき通すために、どんどん嘘を重ねてエスカレートしていく話が好きなんだと思います。『警部補 古畑任三郎』なんて、毎回、基本的にはそういう話のバリエーションでしょ? 余談ですが大河ドラマ『新選組!』の第34回「寺田屋大騒動」は、このバリエーションの秀作だと思うので、未見の三谷ファンの方は一度お試しを。
この映画は2時間の中で、いくつかの物語が同時に動いてるんですけど、それが絶妙に関連しあっていて、散漫な印象がない。細部まで丁寧に作りこまれてるからだと思います。ある意味でちょっと感動しましたね。
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THE 有頂天ホテル (2006/日本)
監督・脚本:三谷幸喜
出演:役所広司、伊東四朗、生瀬勝久、戸田恵子
松たか子、香取慎吾、堀内敬子、オダギリジョー
川平慈英、石井正則、角野卓造、原田美枝子
佐藤浩市、浅野和之、篠原涼子、麻生久美子
唐沢寿明、寺島進、YOU、奈良崎まどか
榎木兵衛、梶原善、西田敏行、近藤芳正
津川雅彦 他
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『THE 有頂天ホテル』公式サイト